日刊中年ジャンプ!

知ってる?”ある問題”を起こした『週刊少年ジャンプ』の”2つの漫画”を振り返る。

突然だけどクイズよ!このジャンプは「何が起きた」ジャンプでしょうか?

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「1980年11号」と「1990年45号」・・・う~ん、まったくわからない・・・。

実は・・・”ある問題”に深く関わる2冊なのよ・・・。

 

 

これまでの『週刊少年ジャンプ』の長い歴史の中で、実は2回ほど”回収騒ぎ”が起きたことがあったのはご存じだろうか?

今でこそ、だいぶ厳しくなった「漫画の表現方法」であるが、1980~90年辺りはまだまだ攻めた漫画が多く、過激な描写やセリフが飛び交い、その表現方法を巡り、度々問題が起きていた時代でもあった。

 

無論、『週刊少年ジャンプ』で掲載されていた漫画にも”表現方法を巡る問題”の波は訪れ、その中でも”ある2つ”の漫画は、回収騒ぎを起こすほどの大問題へと発展してしまったのであった。

 

今回は、その”2つの漫画”が起こした”ある問題”について、詳しく説明したいと思う。

 

 

1980年11号 『私立極道高校』打ち切り問題

 

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最初の問題は『週刊少年ジャンプ』1980年11号。

宮下あきら先生の連載デビュー作である『私立極道高校』で起った。

 

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私立極道高校 1巻

 

『私立極道高校』は、いわゆる”不良番長漫画”といった内容のストーリー。

9号掲載の第39話「歴代生徒会長記念館の巻」にて全国の中・高・大学の番長を倒してせしめた戦利品に、学校名と番長名が書かれているのだが、ここに滋賀県に実在する中学校5校と、実在する卒業者4名の実名で載せてしまったことで大問題へと発展してしまうのだった。

”不良学校”という描かれ方だったこともあり、各学校から抗議が寄せられる事態となり、新聞にまで取り上げられるほどになってしまった。

 

この問題の原因は、宮下あきら先生の当時のアシスタントにあり、実はアシスタントの一人が該当する学校の卒業生で、同級生の名前も無断で使用していたのだった。

 

集英社は、ことの重大性を深刻に受け止め、宮下あきら先生を”監督不行届”という形を取って、連載の打ち切りを決定。

今回紹介した『1980年11号』にて、ストーリーの途中ながら「この作品は今週号で連載中止します!!」の一言のみで突然の打ち切りとなった。

 

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©私立極道高校

 

次週の予告にもしっかりと『私立極道高校』が掲載されているため、修正が間に合わぬほど、急遽の打ち切りだったものと思われる。

 

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©週刊少年ジャンプ

 

また、それに合わせ問題のあった9号&10号(10号にも学校名が一部掲載されていた)の回収を発表。

 

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©週刊少年ジャンプ

 

回収に協力をすると「アドレス帳」がもらえたが、実際、どの程度回収されたのかは不明である。

単行本は1巻が発売されていたものの、6話までしか収録されておらず、幻の漫画となった・・・。

 

 

そして、その打ち切り問題から31年後に、事態は急展開を迎える。

 

もはや、誰もが忘れていた2011年。

 

宮下あきら先生は『週刊漫画ゴラク』にて、まさかの『私立極道高校2011』として、リニューアル連載を開始したのだった。

 

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©私立極道高校2011

 

 

その後、2012年には、描き下ろしページを含めた全41話が完全収録された『私立極道高校 復活版 上・下』が発売。

 

 

 

これにより、30年越しに物語がやっと完結となったのである。

ちなみに、問題のあった個所は”黒塗り”が行われていた。

なぜ、このような雑な修正の仕方だったのかというと、文庫版は当時の連載分をそのままスキャンしたような粗さが所々に見えたため、「原稿を紛失してしまった」のだと思われている。

 

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©私立極道高校 復活版

 

 

1990年45号 『燃える!お兄さん』用務員問題

 

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最後の2つ目の問題は、『週刊少年ジャンプ』1990年45号。

佐藤正先生の連載デビュー作である『燃える!お兄さん』で起った。

 

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燃える!お兄さん 1巻

物語の主人公・ケンイチと、その周りの人々の日常を描いたドタバタギャグ漫画であった。

もともと過激なギャグや差別表現が多く、攻めたギャグ漫画として人気があったのだが、1990年45号に掲載された『サイボーグ用務員さんの巻』は、学校の事情により、ケンイチのクラスの副担任だった早見姿郎が用務員にされてしまい、それをケンイチがひたすらバカにする・・・といった内容の話であった。

 

その内容が酷く、

 

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©燃える!お兄さん

「なにをいってるのだバカ!!」

「おっさんはもう先生じゃないのだ、先生じゃなきゃタダの人だからなにをいってもかまわないのだ!!」

 

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©燃える!お兄さん

「ただの働くおっさんなんだな!!」

 

・・・等々、丸々1話このような調子であった。

 

この話が掲載されると、労働組合や読者から「用務員を馬鹿にしているのか」と抗議が殺到。

特に”自治労大阪府本部”からの抗議は強く、両者の協議の末、この話が掲載されていた『1990年45号』の回収、紙面を使っての謝罪などが行われた。

 

回収に協力すると”シャープペンシル”が貰え、回収先であった集英社のビルを埋め尽くす、約8万部が回収されたと言われている。

 

その後、収束を図るためか『燃える!お兄さん』は一旦連載を終了し、『燃える!お兄さん2』として連載を再開させた。

しかし、この問題の影響もあってか、一時はアニメ化するほどの人気があったが、一気に低迷をしてしまいタイトル変更後は長続きしなかった。

 

単行本は全19巻。

問題となった『サイボーグ用務員さんの巻』は収録されておらず、現在でも該当する『週刊少年ジャンプ』でしか読めない状態となっている。

 

 

最後に・・・

 

以上、”ある問題”を起こした『週刊少年ジャンプ』の”2つの漫画”を振り返るであった。

 

完全な集英社及びジャンプの”黒歴史”と化しているため、今後、公式にこの話が語られることはないであろう。

 

両方とも作者にばかり責任がいきがちだが、担当編集の確認不足も否めない。

『私立極道高校』はネットがなかった時代、調べるのがそう簡単ではなく、チェックが行き届いてなかったのだろうし、『燃える!お兄さん』に至っては、OKを出した担当編集、編集部の責任が大きい。

もともとこういった過激な表現方法を使う攻めた漫画だったため、NGへの意識が甘くなっていたのだろうか。

 

その後、勉強会が開かれ、このような大きな問題が起こることはなくなったが、より一層表現の仕方が問題視されるこのご時世、さらにその問題視されるギリギリをいく過激な漫画が人気を得る傾向もあるため、表現の仕方は時代と共にもっともっと難しくなっていきそうだ。

 

また同じような問題が起きなければいいのだが。

 

 

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