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【打ち切り漫画レビュー】戦星のバルジ

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こんにちは、takaです。

 

今回は2012年25号から連載が開始され、2012年41号で連載が終了した「戦星のバルジ」のレビューをしたいと思います。

開始早々に「一般人と王子様が入れ替わる」「ピンチになると力を発揮する武器」といった漫画ではよくある展開が続き、どうやって新しいものを取り入れていくのか、主人公が王子様という立ち位置でどうやって物語を進めていくのかと楽しみに読んでいたのですが、やはりその辺りが上手くいかずに、長期連載とはなりませんでした。

 

 

主人公・アストロは国の王子様とソックリ!?

 

主人公・アストロは捨て子の子供たちと一緒に惑星・インダストリアのスラムで暮らしていた。

少ない稼ぎながらも、アストロは子供たちのために一生懸命に働いていたのだが、あるとき、異星人とのトラブルに巻き込まれたことをキッカケに失業してしまう。

このままでは子供たちを食べさせていくことができない・・・。

しかし、スラム育ちのアストロはなかなか新しい仕事に就くことも難しい・・・。

そんなとき、突然、自分にソックリな人物が人物が目の前に現われ、アストロに向かって、こう言ったのでした。

「おまえ、王子をやれ」

なんとその自分にソックリな人物は、実は”インダストリアの子、バルジ王子”だったのでした。

 そして、何を言う間もなく、王子の証明でもあり、ある力が秘められた”王具”を手に無理やりはめられて・・・。

 

”〇〇と△△が入れ替わる”というような設定はよく見かけるものだったので、この時点ではあまりこの漫画に対して新鮮味のようなものは感じませんでしたが、この後の珍しい展開にグッと心を掴まれてしまいました。

 

早々に偽者と自ら告白する珍しい展開に

 

バルジ王子とアストロが入れ替わったときは、まるでコナン君と蘭の関係のように、「王に偽者とバレそうだけどバレない!そしてバラさない!」というような感じで進んでいくのかと思っていましたが、色々な葛藤があり、早々にアストロは王の前で自ら「自分は本物の王子ではない」と告げました。

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「家族を思う人を騙したくない」

スラムの捨て子たちをまるで家族同然のように育てるアストロだからこその素晴らしい場面でした。
そして早々な身バレという何か今までになかった新しい王子漫画?の誕生を予感させる展開・・・今後がどうなっていくのか、面白くなりそうだなと思いました。

 

しかし、結局そんなこともなく・・・・。

 

なぜ打ち切りになったのか

 

 王子なのに・・・・・

 

1話目の時点ではまったく王子になる気がなかったアストロが、王から正式に入れ替わり王子になることが認められたときに、”王子”に対して前向きになっていたので、国の秩序のため、国をよくするためにどっしりと”王子”という座について話が進んでいけば面白そうだと感じました。

しかし、すぐに王から思いもよらない・・・というか「やっぱりそうなるのか」というセリフが出てきて、とてもガッカリしてしまいました。

 

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「旅に出てもらいたい」

 

王子という立場で世界が今、どうなっているのか見てきて欲しいという理由は1万歩譲ってわからなくもないですが、あれだけ大事なものだと言っていた”王具”をつけた王子の護衛がなぜ1人なのかが納得いかないし、そもそも、たかだか盗賊退治に王子を送り込む理由もよくわかりません。

しかも”王具”を欲しがっていて、”王具”を奪う計画までしていた敵のもとに。

作者もそれがわかっていたのか、

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敵にこんなことを言わせていて、思わず笑ってしまいました。

確かに愚策だな、インダストリア。

王子を旅に出させてしまったことにより、結局はよくある少年漫画になってしまったのがイマイチ読者心を掴めなかった原因かもしれません。

 

 

カッコ悪く、結局なんだかよくわからなかった”王具”

 

この作品の主人公の武器でもあり、鍵を握る”王具”

その王具が木の枝のようでカッコよくありません。

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最初は国の何かがモチーフになっている形なのかなと、見返したのですがそんなことはないようでした。

少年誌なのだし、シンプルに剣だとかそういう伝わりやすく「王具すごい!カッコいい!」と一目で思わせるようなものだったら良かったのですが、なぜこのような枝デザインに。

しかも序盤で中ボスのような敵に王具攻撃が対策されてしまったために、王具の強さ、必要性が早い段階でよくわからなくなっていました。

そして、ただでさえ存在も薄かった王具が、10話辺りで出てくる”ダークエネルギー”の登場により、さらにその存在が薄くなってしまったのも残念でした。

ダークエネルギーに王具自体が似ているような感じもするので、もしかしたらこの二つは何かしらの繋がりがあったものだったのでしょうか。

関係あるにしろないにしろ、最終的にこの王具がカッコいい感じの剣に”変形”するだけに、最初の惹かれない木の枝のようなデザインが勿体なかったように思いました。

 

 

 トドメを刺したダークエネルギー

 

「我らの闇で覆いつくのだ、人もこの星も・・・」というむずむずするセリフと共に、上でも少し触れましたが、”暗黒エネルギー”(ダークエネルギー)なる、新たなるエネルギーが登場します。

こういった新しい能力だとか概念は、今まで円滑に進んでいたストーリーにクギを刺すというか、やはり最初は嫌悪感をどうしても持ってしまうものです。

それが受け入れられるものにまでなればいいのですが、読者人気を得られていない状況でこのようなことをやると、読んでいる側はストーリーにさらに興味がなくなり離れていきます。

そして無論、このダークエネルギーの力が強力なもので、今までの王具では太刀打ちできません。

そうなってくると、今まで敵が王具を求めていた理由も王具の必要性も感じず、今までやってきたことは何?と思うしかありません。

結局、このことをキッカケに王具が新たなる力を発揮したり、敵側は王具をもう必要としていない、といった新たら展開になるのですが、どうもダークエネルギーの登場は読者離れにトドメを刺してしまったように思えました。

 

 

 

 

色々あった後に、最終話辺りで判明するアストロの衝撃の事実・・・。

まさかの斜め上をいく展開で最後の最後でビックリできたのも良かったですし、

そして、その衝撃の事実が判明しても最初から最後まで「アストロは家族思いの優しい男」という部分を貫け通せたのはとても良かったと思います。

最後は思わずほっこりしてしまいました。

 「僕のヒーローアカデミア」で有名になる前の堀越先生の打ち切り漫画「戦星のバルジ」

この作品の失敗がどのようにヒーローアカデミアで生かされているのかを知る意味でも、まだ読んだことがないファンの方は一度読んでみてはいかがでしょうか。

 

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