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【打ち切り漫画レビュー】レッドスプライト

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こんにちは、takaです。

 

今回は、2016年39号から連載が開始され、 2016年52号で連載終了となった「レッドスプライト」のレビューをしたいと思います。

”努力・友情・勝利”というジャンプ王道ストーリーであることはもちろん、ジャンプでは珍しい「飛行船」を題材にし、「雷髄人間」といったなかなか作り込まれた面白い設定が組み込まれた意欲作でした。

しかし、その作り込まれた設定が故に・・・。 

 

 

 

 

主人公は飛行船に憧れる”雷髄人間”

 

世界の文明は、エネルギーは電気よりも強力なエネルギー”雷髄”(らいずい)により、一気に発展していました。

車・列車・街頭・・・そして、電気文明の象徴・飛行船までもが雷髄のエネルギーによって動いている時代。

しかし、その”雷髄”本来の力を引き出す方法には問題があったのでした。

 

仲間たちと孤児院で暮らしている主人公・タツ フラムト

ある日、夢の飛行船・スプライト号を描き、世界各地へ自由に飛び回ることを夢想していると、孤児院が突然、軍によって襲撃されてしまいます。

どうにか孤児院の先生であるデュランと逃げ出すことに成功したタツ、そこでデュランから”雷髄”の本当の話を聞かされるのでした。

 

”雷髄”本来の力を引き出す方法・・・それは、生きた人体に一度雷髄を注入し、再び電力を取り出すということ。
そして、そのもの達は”雷髄人間”と呼ばれ、軍により奴隷のように働かされていました。

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実は孤児院で暮らすタツ達は強力な雷髄を取り入れることができる高い適正を持った子供だったのです。

軍はタツ達の”その強力な力”を必要としていたのでした・・。

 

敵は強大、捕らわれた仲間を救う冒険

一話目の時点で、目的が孤児院が襲撃された際に、軍に捕らわれた6人の仲間を探すこと、雷髄人間の自由な国を作ること、また敵の親玉、幹部のようなものが明確にされていたのは良かったのではないでしょうか。

そして、一見敵なしのように思われた「タツ」の覚醒した雷髄の能力を持ってしても、親玉や幹部たちには”通用しそうにない”ということが描かれていたのも良かったと思います。

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敵はどれだけ強大なのか、その敵に勝つためのタツの今後の成長・能力の向上を楽しみにさせる場面でした。

確かに、目的を序盤にはっきりと明記してしまったために今後の展開の流れがなんとなくわかってしまうのですが、やはり読者の小中高生のことを考えると、冒険の目的を明確にしたわかりやすいストーリーが一番だと思います。

 

 

なぜ打ち切りになったのか

 

とにかく説明が必要な世界観や設定

 

とにかく説明セリフが多く、覚えることがたくさんあります。
「マゴニア・・・エデニア・・・雷髄人間・・クルセイダーズ・・・神経型・・ナルビオン・・・超帯電雲・・・クラウドルーラー・・・遺灰兵士・・」

設定や世界観は作り込まれていてとても素晴らしいのですが、その設定や世界観が作り込まれているために、多くの説明が必要となっています。

これも入れたい!これもやりたい!と色々なものを詰め込んだ結果、一コマに対する情報量が多くなってしまっているので、読んでいて疲れるし、この作品の中核である”雷髄”の説明すら長いのも問題で、あれ、”雷髄”ってどういうことだっけ?と何回か”雷髄”が説明されているページまで戻ったりしました。

それだけ魅力のある、楽しめる作品ならばいいのですが、いきなり連載序盤から読者を何回も同じページに戻させ、読み直しを必要とさせる作業をさせるのはやはりよくありません。

単語の意味を理解しながら、話についていくのはなかなか難しいのではないでしょうか。

 

”雷髄”にしばられてしまった能力

 

”雷髄”はわかりやすく言えば、強力な電気エネルギーのようなものです。

味方は雷髄人間、そしてどうやら敵も雷髄の力を得ているようでした。

つまり、雷髄人間はどうしても電気系の能力を使った攻撃にしばられてしまう上に、敵も電気系の能力を所持しているとなると、常に電気がバチバチした戦いになっており、「次に出てくる仲間や敵も電気使うのだろうなあ・・・」と、今後のワンパターン化を不安させるような戦闘ばかりでした。

とにかく電気能力ありきの戦闘なのですが、これは工夫次第でどうにかなったりするものだろうか・・・。

 

飛行船が衝撃的にダサい

 

この作品の重要な鍵でもある「飛行船」

そのデザインが衝撃的にダサくガッカリでした。

一話目で飛行船がチラリと出てきたときに嫌な予感を感じましたが、「もしかしたら、タツたちが乗る飛行船のカッコよさを惹き立てるためではないか」とも、僅かばかりに期待はしていました。

しかし、実際にタツ達が搭乗する飛行船が登場すると

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一話目にチラリと出てきたダサい飛行船でした。

 

「この船を国にする」というからには、読者にも「自分たちも乗りたい」と思わせるような魅力的なデザインが絶対重要だと思うのですが、なぜこんな鉄板を貼り付けただけのようなデザインにしてしまったのか。

もしかしたら今後、改良をしていく中でカッコよくなっていく予定だったのかもしれませんが、それにしても誰が見ても一目で「カッコいい!」と思わせるデザインがここでは必要だったと思います。

そもそも、この飛行船自体が軍から奪った飛行船だという部分でも、こちらとしては愛着がわかないというのに「それを自分たちの国にする」というのもどうなのでしょうか、あれだけ憎んでいた軍のものなのに。

それだったら「こんな飛行船が作れるわけがない!」と色々な人物に驚かせるような、誰がどうやってどのように作ったのかがベールに包まれているような飛行船を、タツと一緒に登場させても良かったのかなあと。

 

 

 

 

全体を通して、設定や世界観の味が濃すぎたように感じました。

2巻の巻末には、連載が決まる以前に描かれた「レッドスプライト」の読み切り版があるのですが、難しい言葉もなく、とてもシンプルでわかりやすくまとまっていました。

連載するにあたりなぜここまで濃い味付けをして、詰め込んでしまったのかは不思議でしょうがありませんが、画力や魅力ある設定を含め、作者の何かもう少しで爆発できそうな期待感を感じる作品です。

「丁度、濃いものを読みたかったんだ!」「記憶には自信があるんじゃ」という方は、いかがでしょうか。

 

 

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